現代の名工にお会いしました!

長野通信

今までテレビや新聞等でいろいろな人が現代の名工として紹介されているのを見たことがありました。今では芸術品となっているものを製作している人ばかりと思っていました。例えば漆器、陶芸、染め物、織物などがそうかと思っていました。そしてそういう人はいわゆる自分の生活圏内にいるとは思ってもみませんでした。ところが長野でお目にかかったのです。

 

私の長野での生活は自分自身を大切にすることを目標にしています。そのために身体を作る、地域のことを知る、コミュニティを作ることに心がけています。今までの仕事で仕入れた知識や経験してきたことが役に立っています。

身体を作るために須坂市との境にある「湯~ぱれあ」という温浴施設にちょうど良いアクアビクスの教室があり、身体を作る目的とコミュニティを作る目的両方が達成できると思い、さっそく申込み、通っています。

 

平日の午後の時間帯に来られる人は限られます。同じくらいの年齢の女性が14人集っています。皆さん、私と同様に体力の維持とおしゃべりを楽しみに通っていらっしゃいます。その中で同じ時期に始めた方と親しくなり、先日お宅にお邪魔しました。

 

伺ってみてびっくり! ご自宅前にこんなものが!

前に立っていらっしゃる方がこのお宅のご主人です。そしてこの立派な瓦の工芸品とも言えるものは、善光寺大勧進本堂のものです。普通は善光寺の屋根に乗っているものなのでこんなに近くでお目にかかるものではないのですが・・・

これがここ小笠原瓦店の看板であり、なんとこの写真のワンちゃんたちの贅沢な犬小屋にもなっています。2006年に完了した善光寺大勧進本堂の屋根工事を請け負った際に譲り受けたものだそうです。

社長の小笠原さんは屋根瓦を葺く技能士、つまり瓦職人で文化財の屋根工事を多く請け負っていて「現代の名工」であり、その技術の高さと技術の継承で黄綬褒章を叙勲された方です。

そう聞いても目の前の穏やかで品の良い男性が屋根の上でこんな大きな瓦と取り組まれているとは簡単にはつながりませんでしたが、お宅の塀として屋根瓦がおしゃれに積み上げられていたり、玄関にもこんな素敵な「オブジェ」が飾られていて、さすが瓦屋さんだと納得でした。

東京での生活ではこういう経験をしたことがなかったので長野に行ってわずか一年以内でこんなに立派なものに触れられるとはなんと幸運なのかとちょっと驚いています。

きっと前向きに自分の居場所を作ろうとする姿勢がこの「出会い」を呼んでくれたのかと思って、もっと積極的に長野生活をエンジョイしようと改めて思いました。

そしてここで得た貴重なものを今度は東京で活かせるようにできたら余生としては最高だなぁと漠然と考えていますが、果たしてそううまくいきますかどうか、楽しみです。